育て方の基本
肥料と培養材の選び方・使い方
胡蝶蘭は少量の肥料で十分に育つ植物です。適切な濃度で定期的に与えることで、葉の艶と花芽の力が高まります。また、培養材(ミズゴ ケやバーク)の選択は根の呼吸性と保水力を左右します。本記事では施肥の基本と培養材の特徴をプロ視点で解説します。
最終更新日: 2025-09-23
薄めた液肥が基本
規定濃度の1/4〜1/5に薄め、成長期に2〜3週に1回が目安。
固形肥料は控えめに
与え過ぎると肥料焼けの原因に。緩効性粒剤は花後の回復期に少量使用。
培養材で環境を調整
ミズゴケは保水性重視、バークは通気性重視。株の状態に合わせて選択。
おすすめ施肥スケジュール
成長期(3〜9月)
- 薄めた液体肥料を2〜3週に1回与える。株元にそっと注ぎ、葉にはかけない。
- 月に1度、微量要素を含む活力剤を霧吹きで葉面散布すると葉の艶が向上。
- 施肥の翌日は必ず水だけを与え、培養材に残った肥料成分を洗い流す。
花芽形成期(10〜12月)
- 窒素分の多い肥料は控え、リン酸が多めの液肥を月1回程度に切り替える。
- 温度管理と合わせて再花上りのステップを確認し、花芽の充実をサポート。
休眠期(1〜2月)
気温が低い時期は肥料を与えません。根の活動が鈍るため、水やりも控えめにし、株の体力温存に徹しましょう。
培養材の比較
| 培養材 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| ニュージーランド産ミズゴケ | 高い保水力と柔らかさがあり、根を包み込みやすい。初心者にも扱いやすい。 | 水切れしやすい環境・暖房が効きやすい室内。 |
| バーク(樹皮チップ) | 通気性が高く、根腐れを防ぎやすい。乾きが早いので水やり管理がしやすい。 | 湿度の高い環境や、根をより強く鍛えたい場合におすすめ。植え替え手順も参照。 |
| バーク+ミズゴケのミックス | 保水性と通気性のバランスが良い。大株や乾燥しやすい環境で活躍。 | 長期間植え替えが難しい法人ディスプレイや、温度差が大きい環境。 |
失敗しない肥料の与え方
- 必ず水やりの後に肥料を与え、根への刺激を最小限に。
- 濃度は規定の1/4〜1/5。濃すぎると根先が茶色く変色する「肥料焼け」を引き起こします。
- 液肥は冷水で溶かすと根が驚くため、常温の水で希釈しましょう。
- 固形肥料は花が終わり、株が新しい葉を出し始めたタイミングで少量置くのが安全です。
よくある質問
水やりと肥料は同時に与えて良いですか?
基本的には水やり後に肥料を与えます。同時に行うと濃度が高くなり根を傷める可能性があるため、必ず清水で水やりをした後に薄めた 液肥を追加してください。
葉に肥料が付いてしまいました。
すぐに柔らかい布で拭き取り、ぬるま湯で軽く流しましょう。肥料成分が葉に残るとシミや傷みの原因になります。
培養材はどのくらいで交換しますか?
ミズゴケは1〜2年、バークは2〜3年が目安です。劣化すると保水性が低下し、水やりのタイミングが狂いやすくなります。植え替えガイドを参考に計画的に交換しましょう。
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